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アテビの会主催、令和4年度入川アテビ精英樹見本林生長量調査@入川に参加させていただきました◎

2022年10月26日 / Hiroshi Murooka / ブログ

アテビの会主催、令和4年度入川アテビ精英樹見本林生長量調査@入川に参加させていただきました◎

佐渡市の木「アテビ」をこよなく愛するアテビの会の皆さまと入川アテビ精英樹見本林の①樹高②根元径③胸高直径の3つを計測し、生長量調査を行うものです。

午前はアテビ林での実習、お昼は昼食休憩後の座学、午後は広域林道大佐渡北線の通行体験という盛りだくさんの内容で大変勉強になりました!

・木16本が育つことで、人間1人の一生分の二酸化炭素を吸収すると換算される。
・佐渡の面積855k㎡のうち、608k㎡(7割)が森林である。
・杉に比べてアテビは樹高は低い。また成長も遅い。
・アテビは陰樹で、60年かけて樹高20mくらいまで成長する。
・平成18年に精英樹クローン苗(42系統×各5本、計210本)を植林し、生長量調査を毎年実施している。
・北西の斜面において一律な生育とはならず、同時期に植林してもそれぞれの環境によって全く異なる。
・各個体の樹高や太さなどを計測し、系統ごとの生長特性を明らかにし優良系統を選抜することでより良いアテビを島内で増やしていく。
・石名のアテビの個体生育が良い状況にあることが分かってきた。
・アテビの価格はスギの2~3倍である。
∟スギ 1.2~1.8万円/㎥
∟ヒノキ2.0~2.5万円/㎥
∟アテビ2.0~3.0万円/㎥
・アテビは佐渡金山の坑道の支え木にも古くから使われている。
・アテビに近しい、ノトアテは能登半島で生育されており、輪島塗の漆器として高級な伝統工芸品のブランディングに成功している。
などなど。

▼参考資料

室岡家私有林にも上横山の里山32アールに640本のアテビ=ヒノキアスナロが植林されております。苗木が他の草に浸食されて枯れないようにするため、定期的に苗木の周りを鎌で草を刈る作業が必要です。

里山の植林は、『木の畑』と言えるかもしれません。50~60年後の伐採を見据えて準備する気の長い作業です。木がいくらで売れるかということも大切ですが、植林にまつわる作業そのものが都会で疲れた人の癒しになったり、脱酸素への貢献や、洪水を未然に防ぐといった『里山の多面的機能』を担っている、そういっても過言ではありません。佐渡の里山を組織的に保全する取り組みが必要だと感じました。

主催者、参加者の皆さまには、貴重な機会を本当にありがとうございました!

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