平成29年度12月定例会 平成28年度佐渡市一般会計歳入歳出決算の認定についての賛成討論資料
平成29年度12月定例会最終日にて、
議案第127号:平成28年度佐渡市一般会計歳入歳出決算の認定について
賛成討論をさせていただきました!
賛成:14、反対:05で可決されました◎
下記、お手すきの際にご一読いただけますと幸いです。
04発言(討論)通告書原稿_室岡啓史_20171219(最終版)
■■■演壇にて■■■
政風会の室岡啓史でございます。議案第127号:平成28年度佐渡市一般会計歳入歳出決算の認定について賛成討論をいたします。
去る10月~11月に行われた決算審査特別委員会にて委員として平成28年度の決算審査をさせていただきました。昨年度、佐渡市が執行した各施策について費用対効果を問うという趣旨です。地方自治法第2条第14項では、『地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。』と定められています。努力規定ではなく、義務規定です。
費用対効果の観点から、二つの事業を例示して、賛成討論と致します。
【1】『スポーツ推進事業』決算額78,621,226円(約7,900万円)について
佐渡市教育委員会社会教育課が佐渡市スポーツ協会と連携して開催した6つのスポーツイベント、①佐渡トキマラソン、②スポニチ佐渡ロングライド210、③SEA TO SUMMIT、④オープンウォータースイミング、⑤佐渡国際トライアスロン大会、⑥佐渡トキツーデーウォーク。佐渡島内で6つのスポーツイベントを開催しているということについて、名実ともに佐渡は『スポーツの島』と言うに相応しい結果が見て取れました。
6イベントの大会総事業費:1億6,852万円、そのうち市負担金合計:1,992万円に対して、観光庁のMICE経済波及効果測定モデルを活用し算定した経済波及効果は、9億5,270万円とのことでした。大会総事業費に対する経済波及効果は、実に5.7倍。市負担金合計に対する経済波及効果は、なんと47.8倍となっていることが分かりました。そして、イベント別での市負担金に対する経済波及効果は、ロングライドで158倍。トライアスロンで148倍にも上っていることが分かりました。最上級の費用対効果です。定量的にも佐渡は『スポーツツーリズムの島』と言えるでしょう。このような素晴らしい取り組みについて、佐渡市としてもさらに積極的に情報発信に努めていただきたいと強く願います。
【2】『RESAS(地域経済分析システム)及び佐渡航路データ等を活用した佐渡版DMO形成事業』決算額90,775,716円(約9,100万円)について
そのうち、当該事業のわずか約0.2%:164,448円の予算で観光振興課によって『インバウンドモニター調査』の事業が実施されました。最少の経費です。これは、1泊2日で佐渡市内在住の外国人6人のモニターツアーを実施し、観光施設や観光コース、案内表示等についてALT(小中学校等の外国語指導助手)を活用し、外国人旅行者にとって分かりやすいものとなっているかどうか調査を行ったというものです。島に今ある人的、物質的資源をどれだけ活用できるかがインバウンド受け入れも見据えた観光DMO成功の鍵と考えますが、そこにはアイデアが必要です。本事業は柔軟な発想を具現化した素晴らしい施策の一つと高く評価します。ちなみに昨年度、産業建設常任委員会にて行政視察に来訪させていただいた和歌山県の田辺市熊野ツーリズムビューローでは、元ALTの男性を組織準備段階の早期に雇用し、外国人目線からのインバウンド対策に乗り出したことで、インバウンド受け入れのDMOとして成功を収めている事例を伺って参りました。
※ALT(外国語指導助手)とは・・・小中高校などの英語の授業で日本人教師を補助する。国が1987年から実施している「語学指導等を行う外国青年招致事業」(通称・JETプログラム)で、世界の英語圏から大学を卒業した青年を日本に招致している。
以上、二つの事業を例示しましたが、あらゆる事業においては、PDCAサイクルによる『改善』ということが大変重要であると考えます。事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つであるPDCAサイクル:Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善するということに努めていただきたいと思います。
佐渡市の各課には、重要なデータが数多く存在します。料理に例えるなら、最高の食材をたくさん持ち合わせている。しかし、現状ではその食材を調理しない、あるいは食べないまま腐らせていると言っても過言ではないと言えます。むしろ、その最高の食材を調理し、美味しく食べることでその味を見極め、もっとこうするべきではないかと改善を行っていく。そういうサイクルが必要だと思います。これこそがPDCAサイクルでしょう。
以上、定性分析・定量分析の改善を佐渡市執行部に期待しつつ、引き続きアイデアを生かした佐渡市政の運営に努めていただきたいという激励の言葉をもって、賛成討論とさせていただきます。
そして一議員として、決算審査も予算審査も、佐渡市政に対する全否定ではなく、部分否定に留めることで、執行部への改善を促していくべきではないかと強く主張して結びと致します。
議員の皆様方におかれましては良識ある冷静なご判断により賛成をお願いいたします。
以上